新しい順。
👍『君の名は。』(新海誠監督)
「君の名は。」予告
いったい我々の前に何度立ちはだかってくるのだ川村元気(と市川南)。
こういう系は、主観的な心象世界にどれだけ観客を巻き込めるかにかかっていて、すくなくともそれには成功してるんじゃないかな。
👍『ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影』(デイヴ・グリーン監督)
映画『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ アウト・オブ・シャドウズ(原題)』予告編
前作同様半年したら内容一ミリも憶えられてなさそうな刹那さが塩梅いい。こういうのを観に行く気力を失ってしまった本格的に人間病んでしまうんだとおもいます。なんの話だ。
新参の使い走り悪役コンビの最低だけど仲睦まじいバディっぷりと最低の底を抜けたバカっぷりがべらぼうにキュート。アクションは主人公がCGアニメキャラな悲しさか、単に作風なのか、けっこうざっくり。序盤のカーチェイスとかその大雑把さがいい味出してるんですけどね。その脱出法は無理だろ、っていうか。
大雑把さでいえば、敵の組織が自社の監視カメラの映像を主人公サイドに不利なように
物語面では亀たちが自らの存在について妖怪人間ベムめいた葛藤を抱きますがまあみんなどうでもいいですよね。みんなアホだから悩んでるようでそんな悩んでるように見えないし。とはいえマイケル・ベイのことだし、これで「最近の黒人差別問題について語っているんです!」くらいはどっかでほざいてそう。
黒人といえば、天才オタク博士を演じるタイラー・ペリー。wikipediaに載ってるくらいの情報しか知らない(黒人向けコメディ映画作って大儲けしてる人くらいの認識)んですがこの人、ほんとに凄腕のコメディアンだったんですね。思い返せば『ゴーン・ガール』のときも、作品全体のトーンに一番ハマっていたのは彼だったのかもしれない。次の待機作はクロエ・グレース・モレッツ主演の難病もの(またか)らしいですが。
👍『ゴースト・バスターズ』(ポール・フェイグ監督)
映画 『ゴーストバスターズ』予告1
公開前からひと悶着もふた悶着もマイティボンジャックあった作品ですが、ふたを開けてみるとまあソフトなポール・フェイグ映画。
開幕おもらしザック・ウッズと職業差別へのカウンター通り越してもはや人間失格レベルのクリス・ヘムズワースが最高にチャーミング。レスリー・ジョーンズとケイト・マッキノンに関しては普段『サタデー・ナイト・ライブ』でのほうがまだはっちゃけて見えた。
SNLも二人の資質からすると(特にマッキノンは)まだ抑えているだと思うので、R指定作品でどこまでやれるのか試して欲しい。
レスリー・ジョーンズは『トップ・ファイヴ』観るかぎり、もっと幅のある俳優に思えるんですよね。
エンディング・クレジットは今年随一。
👎『X-MEN:アポカリプス』(ブライアン・シンガー監督)
映画「X-MEN:アポカリプス」予告B
マグニートーさんがまたいじけて家出したので友人総出で説得しに行く話。いってみればアイマスみたいなもんですよ。グループだしね。事務所の関係で出たり出られなかったりするしね。やめらんないしね。ブライアン・シンガー的には僕の考えた最強のイケメン・パラダイスって感じ。
スカーレット・ウィッチ(だよね?)の雑すぎる処理からして、もうシリーズ幕引きするつもりなのかな、と思いきやまだ続けるつもりらしいですよ?
👎『バットマン:キリング・ジョーク』(ブルース・ティム&サム・リウ監督)
Batman The Killing Joke Official Trailer
原作読んでからこれ見たら、だいたいみんな『映画秘宝』の柳下毅一郎評とおなじ感想を持つんじゃないんですかね。政治的に正しくあろうとすること自体は間違いではないんですが、その努力の方向を間違えてしまった結果、PC的にもコミック的にも失敗してしまった。ハーレクイン生み出したアニメ版のスタッフですし、むべなるかな。
✊『ジャングル・ブック』(ジョン・ファヴロー監督)
映画『ジャングル・ブック』予告編
アニメ映画板『くまみこ』。
シャーマン兄弟とかアラン・メンケンのミュージカルがドメインとして使える時点で、ディズニーは圧倒的に強いんですよね。
ワーナーで作っているとかいうアンディ・サーキス版はどうなるのか。
👍『ペット』(クリス・ルノー&ヤロー・チェイニー監督)
『ペット』日本語吹替え版予告
沢城みゆきが完全に『マイ・リトル・ポニー』のキチトワイ。ストーリーや世界観の作り込みではディズニー/ピクサーに勝てないことはわかった上でチージーでスラップスティックなギャグアニメを量産するイルミネーション・スタジオの戦略はそれはそれで応援したいです。
とはいえ彼らにも人並みの芸術的野心はあるらしく、『銀河ヒッチハイクガイド』の監督を迎えた『シング』はどうなるのか。
👍『殺されたミンジュ』(キム・ギドク監督)
奴隷はなぜ奴隷であるかを説く資本主義残酷物語。プラス『ヨブ記』。
かぎりなく意図的であろうチープな画面は見続けるうちに慣れで解決できますが、問題は一本調子な語り口で、ギドクなりにアクセントはつけてくれるもののやはり似たような挿話が六回続く展開は間延びします。が、その素っ気なさや飽和感こそがまさにこの映画の狙うところであって、でなければ同じ俳優を(明らかに物語中では別人なのに)似たポジションに何度も登場させるメタ演出など使わないでしょう。*1
*1:観てるあいだは「韓国人イケメン俳優って似たような顔ばっかなせいか、見分けがつかないな」などと思ってましたがそれはともかく。