スティーヴ・エリクソン『ゼロヴィル』
- 作者:スティーヴ・エリクソン,柴田元幸
- 出版社/メーカー:白水社
- 発売日: 2016/02/27
- メディア:単行本
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アンナ・ボーデン&ライアン・フレック監督『ワイルド・ギャンブル』
- 出版社/メーカー:アメイジングD.C.
- 発売日: 2016/06/03
- メディア: DVD
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メインの題材であるギャンブルを活かして、二人の表情の読み合いとごかまし合い(騙し合いでないのがにくい)に映像の時間的リソースをつぎこんだ結果、ベン・メンデルソーンの繊細な表情演技を愛でるベン・メンデルソーン映画になってしまった。
そういうところが良し悪しで、僕なんかベン・メンデルソーン大好きで生きているわけですからたいそうな傑作だななどと思うわけですが、世間的にはベン・メンデルソーンを小汚いおっさんとしか認識していないらしく、映画感想サイト界隈での評価は展開のオフビートさもあいまって絶望的に低い。
仔猫を後生大事そうに扱うベン・メンデルソーンなんてこの先で生きているうちに観られるかどうかわからないカットなのだし、そういう可能性を素通りしてどうして映画なんか観ていられるのか理解に苦しむ。
ティム・ミラー監督『デッドプール』
ジョージ・ミラーにベネット・ミラー、クリス・ミラー(『シュレック3』)、クリス・ミラー(『21ジャンプストリート』)ときてティム・ミラーと来たもんだ。『We're the Millers』*1。平均すればアンダーソン一族より強いんじゃないか?
アントワーヌ・フークア監督『サウスポー』
こっちは家族のため、というちゃんとした理由で人を殴りまくる映画。
そんなに悪い作品でもない。ただ、多すぎる要素を削って30分短くするか、あるいはもう30分長くして説明を付け足すかしてほしかった、という松江哲明の言葉がこのうえなく正しくはまるのも確かなわけで。
全体的に散漫な物語をジェイク・ギレンホールが『ナイトクローラー』にひきつづき破格の迫力でなんとかつなぎとめているけれども、いかんせんカメラが彼の熱演を十全に捉えきれてなくて、もっとなんというか、肉の生々しさとかみずみずしさを活かしてほしかったな。ボクシング映画ってそれでしょう。特訓シーンの儀礼的なモンタージュなどではなく。
ジャコ・ヴァン・ドルマル監督『神様メール』
大筋としては聖書をリベラルで現代的な観点からアップデートしたいなあ、みたいな話で、いまさらそういうこと言ってみたってはじまらないんじゃないのと思わないでもないんだけれども、まあ別に何を語るかは監督の自由なのでいいんじゃないかと思います。
勝小吉『夢酔独言』
- 作者:勝小吉,勝部真長
- 出版社/メーカー:講談社
- 発売日: 2015/11/11
- メディア:文庫
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幕末版の『ディストラクション・ベイビーズ』みたいな勝海舟のオヤジの自伝。
尾玉なみえ『マコちゃんのリップクリーム』
- 作者:尾玉なみえ
- 出版社/メーカー:講談社
- 発売日: 2016/02/26
- メディア:Kindle版
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いつのまにか全巻 kindleに落ちてたのでガバッと買ってガバッと読んだ。
姉漫画でしたね。姉フィクションを何が姉フィクションたらしめているか、というのはあんまりみんな考えなくてほとんど感性に頼るから、シスコンとマザコンを取り違えた母性姉漫画が氾濫しているわけですが、尾玉なみえ先生はちゃんとそこの手続きを踏んでいる。ケヴィン・ウィルソンの「今は亡き姉ハンドブック」に値する作品を描きうるのは日本どころか世界で尾玉なみえ先生だけというこの現状。
ところで、この人は意外にシリアスな恋愛を描くのがべらぼうに上手い。『よい子のための尾玉なみえ童話集』は何も偶発的な事故ではなかったんですね。
『ドリフターズ』五巻
- 作者:平野耕太
- 出版社/メーカー:少年画報社
- 発売日: 2016/06/06
- メディア:コミック
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それにしてもほとんど密室での会話劇ですよね。
なんか人とか吸血鬼とかがめっちゃ死んでるんで平野耕太は基本的にアクションの人だと思われているふしがあるけれども、どちらかといえば、シェイクスピア的な長台詞を中心にリズムを組み立てていく作風で、舞台劇ならともかく、そういうのをアニメ化するのってナチュラルなようでいて案外キッツイんじゃないかなあ。
まつだこうた『おかか』二巻
- 作者:まつだこうた
- 出版社/メーカー:講談社
- 発売日: 2016/06/06
- メディア:コミック
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完結してしまった。
大人のための夏休みノスタルジー漫画というポジションに落ち着いた感はある。
岡村賢二『ごっつあんです』
- 作者:岡村賢二
- 出版社/メーカー:日本文芸社
- 発売日: 2016/03/19
- メディア:コミック
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野球と違って相撲界の経済ってあまり知らないので、「へー知らなかったなー」と感心することしきり。
意外と複雑な年金積立制度とか。
*1:ローソン・マーシャル・サーバーの『なんちゃって家族』の原題