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2016年6月注目の新刊三十冊

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蓮實重彦『伯爵夫人』新潮社

伯爵夫人

伯爵夫人

世界の均衡は保たれるのか? エロスとサスペンスに満ちた文学的事件! 帝大入試を間近に控えた二朗は、謎めいた伯爵夫人に誘われ、性の昂ぶりを憶えていく。そこに容赦なく挑発を重ねる、従妹の蓬子や和製ルイーズ・ブルックスら魅力的な女たち。しかし背後には、開戦の足音が迫りつつあるらしい――。蠱惑的な文章に乗せられ、いつしか読者は未知のエクスタシーへ。著者22年ぶりとなる衝撃の長編小説。

 例のアレ。蓮實センセが小説を前に書いてたことを初めて知った。

ハビエル・マリアス『執着』東京創元社

執着 (海外文学セレクション)

執着 (海外文学セレクション)

30代の編集者マリアが、毎朝カフェで見る仲のよい夫婦。その夫がホームレスにメッタ刺しにされて死亡。その後、親しくなった未亡人から、夫の親友だったという男を紹介されるが、未亡人仲の良いその男とマリアは関係を持つように……。ある日男の部屋でマリアは、客と男の驚くべき会話を耳にする! 事件は通り魔殺人ではなかったのか? 三角関係の精算? それとも嘱託殺人? 愛とは? 人間とは? 読者を知的妄想に引き寄せる。ミステリ仕立ての愛をめぐる考察。

 なぜか日本で映画化された『女が眠る時』などのスペインの俊英ハビエル・マリアス最新作。

J・M・クッツェー『イエスの幼子時代』早川書房

過去を捨てた男は、少年と出会い、断ち切れない絆を知る――。

初老の男が5歳の少年の母親を捜している。2人に血の繋がりはなく、移民船で出会ったばかりだ。彼らが向かうのは、過去を捨てた人々が暮らす街。そこでは生活が保障されるものの、厳しい規則に従わねばならない。男も新たな名前と経歴を得て、ひとりで気ままに生きるはずだったが、少年の母親を捜し、性愛の相手を求めるうちに街の闇に踏み込んでゆく。
たくらみと可笑しさのつまった、ノーベル文学賞作家の新境地。

あらすじのかぎりでは、キリストのバイオグラフィー的作品ではないっぽい。

『新編・日本幻想文学集成 第1巻』国書刊行会

安部公房 (著), 倉橋由美子 (著), 中井英夫 (著), 日影丈吉 (著), 安藤礼二 (編集), 山尾悠子 (編集), 高原英理 (編集), 諏訪哲史 (編集)

豪華な選者に贅沢な著者、極上のアンソロジー。

『明治深刻悲惨小説集』講談社文芸文庫

死、貧窮、病苦、差別――
明治期、日清戦争後の社会不安を背景に、人生の暗黒面を見据え描き出した「悲惨小説」「深刻小説」と称された一連の作品群があった。
虐げられた者、弱き者への共感と社会批判に満ちたそれらの小説は、当時二十代だった文学者たちの若き志の発露であった。
自然主義への過渡期文学」という既成概念では計れない、熱気あふれる作品群を集成。

こういうゲスの極みみたいなタイトルのアンソロに惹かれないわけがない。

マキシーン・ホン・キングストン『〈村上柴田翻訳堂〉チャイナ・メン』新潮社

チャイナ・メン

チャイナ・メン

19世紀から20世紀にかけてアメリカを目指して海を渡った中国人たちがいた。鉄道建設や鉱山労働に従事し、アメリカの繁栄の礎を築いたが、深い沈黙の向こう側へと泡のように消えていった――。その末裔として生まれた女性作家が、声なき声に顔と名前を与え、想像力と幻想で神話的に紡いだ一族の物語。伝説の翻訳家の訳も冴えわたる全米図書賞受賞作品。『アメリカの中国人』改題。《村上柴田翻訳堂》シリーズ。

例の翻訳堂シリーズ。片っ端から読んどきゃ良い安心感。

ジェシカ・ジュリアス『The Art of ズートピア

ジ・アート・オブ ズートピア: THE ART OF ZOOTOPIA

ジ・アート・オブ ズートピア: THE ART OF ZOOTOPIA

ズートピア』のアートオブ本待望の邦訳。
ディズニー映画のアートオブ本としては異例の速度。ちなみに『アーロと少年』のアートオブ本も同日発売。

池上英洋他『美少年美術史』ちくま学芸文庫

美少年美術史: 禁じられた欲望の歴史 (ちくま学芸文庫 イ 55-3)

美少年美術史: 禁じられた欲望の歴史 (ちくま学芸文庫 イ 55-3)

神々が愛したかわいくエロティックなクピドたち。古代の英雄や皇帝たちを狂わせ、歴史の運命を大きく動かした少年愛のめくるめく世界。中世キリスト教社会で、激しい抑圧のなか密かに紡がれた同性愛的嗜好。そしてルネサンス期を迎え、ふたたび花開く男たちの肉体美―。西洋美術には美少年を描いた傑作が数多く存在する。彼らはなぜこれほどまでに芸術家たちを虜にし、その創造力をかきたててきたのか?ときに勇ましく、ときに儚げに描かれたその姿に、人類のどのような欲望が刻み込まれているのか?アート入門としても最適。カラーを含む200点以上の図版とともに辿るもうひとつの西洋史。

西洋美術解説業池上先生の最新耽美。「美少年」とついてればみんな買うと思ってまたあ。

東禹彦『爪 改訂第2版』金原出版

爪 基礎から臨床まで 改訂第2版

爪 基礎から臨床まで 改訂第2版

爪の基礎的な知見、ならびに現在の爪疾患に関する臨床的知見・治療法をまとめたロングセラーテキストの改訂版ついに刊行! 50年にわたり爪疾患の原因や治療法に関する研究を行う爪のスペシャリストの決定版。陥入爪・巻き爪に対する多くの治療法の登場,治療可能となった厚硬爪や爪甲鉤彎症についても追加し、本邦美容業界のジェルネイルの普及もふまえて解説・文献の追加を行っ。QOLの改善に役立つ、関係者必携の書。

充実した爪解説。

山岡重行『腐女子の心理学 彼女たちはなぜBL(男性同性愛)を好むのか?』福村出版

腐女子の心理学 彼女たちはなぜBL(男性同性愛)を好むのか?

腐女子の心理学 彼女たちはなぜBL(男性同性愛)を好むのか?

「本書は社会心理学とパーソナリティ心理学の観点から、オタクと腐女子を研究した結果をまとめたものである。オタクとはどのような人物なのか、腐女子とはどのような人物なのか、その一端を明らかにすることを目的とする。客観的なデータを収集し、そのデータを統計学的に分析し、その分析結果からオタクと腐女子の心理と行動を考察していくものである」(「まえがき」より) 「腐女子」とは何者なのか? オタクとはどう違うのか? 大学生1万人以上の統計調査をもとに、心理学の方法論でその客観的な姿を描き出す若者文化・サブカルチャー研究。

 こういう系は面白さ的な意味で当たり外れデカいんですが、さて。

ロザリー・L・コリー『高山宏セレクション〈異貌の人文学〉 シェイクスピアの生ける芸術』白水社

シェイクスピアの生ける芸術 (高山宏セレクション〈異貌の人文学〉)

シェイクスピアの生ける芸術 (高山宏セレクション〈異貌の人文学〉)

英国ルネサンス最大の作家シェイクスピアの豊饒な文学世界を驚異的な博識と綿密な読解で様々な角度から解き明かした名著、待望の邦訳。

 没後400周年記念ということで各所で地味にシェイクスピア祭りが盛り上がっております。河合先生の『シェイクスピア大図鑑』も要チェキ。

中島隆信『高校野球の経済学』東洋経済新報社

高校野球の経済学

高校野球の経済学

「本書の目的は、高校スポーツの一つに過ぎない高校野球が100年の長きにわたって続いてきた理由について、経済学的思考法を用いて体系的に説明することである。」(本書「はじめに」より)

こういう系も当たり外れデカイんですが、さて。

フランコモレッティ『遠読 〈世界文学システム〉への挑戦』みすず書房

遠読――〈世界文学システム〉への挑戦

遠読――〈世界文学システム〉への挑戦

西洋を中心とする文学研究/比較文学ディシプリンが通用しえない時代に、
比較文学モレッティが「文学史すべてに対する目の向けかたの変更を目指」して着手したのが、
コンピューターを駆使して膨大なデータの解析を行い、文学史を自然科学や社会学の理論モデル
(ダーウィンの進化論、ウォーラーステインの世界システム理論)から俯瞰的に分析する「遠読」の手法だ。

みすずから出てるわりにむちゃくちゃ胡散臭そうな理論なんですが、そのあやしさが興味を掻き立てる。

今野真二『ことば遊びの歴史』河出書房新社

なぞなぞ、掛詞、折句、判じ絵、回文、都々逸……面白いことばあそびを紹介しながら、日本語という言語の仕組みを解き明かす。

今泉忠明『動物バトル図鑑 DVDつき』学研プラス

動物バトル図鑑 DVDつき

動物バトル図鑑 DVDつき

最強生物たちのド迫力バトルが図鑑になった!
ディスカバリーチャンネルの豪華90分映像がスゴい!

なんか動画付き動物図鑑がブームなのか、今月はやたらそういう本が出てます。
そのなかでもコンセプトがダイレクトアタックしてくるのがこれ。

鈴村和成『〈フィギュール彩〉三島SM谷崎』彩流社

三島SM谷崎(仮) (フィギュール彩)

三島SM谷崎(仮) (フィギュール彩)

三島のマゾヒズム、谷崎のサディズムノーベル賞候補者としてのライヴァル関係を はじめとする深い因縁関係にありながらも、 これまであまり関係性を論じられることのなかった 三島由紀夫谷崎潤一郎。 谷崎作品に重ねられる三島の実生活、 三島作品と谷崎作品に登場する女性の意外な共通性、 福島次郎との同性愛から解く三島像…… サディストの三島由紀夫、 マゾヒストの谷崎潤一郎のイメージを覆す新たな文学論。 S(サディズム)とM(マゾヒズム)の視点から、 文面下に隠された二人の真性を暴き出す!

なかなかどうしてゲスい感じの切り口ですが、ちゃんとした文学者の本です。

永井義男『江戸の売春』河出書房新社

江戸の売春

江戸の売春

吉原、江戸四宿(品川、新宿、千住、板橋)から、岡場所、夜鷹、舟饅頭、比丘尼まで、江戸の性愛の実態。図版多数。

『江戸の糞尿学』『江戸の下半身事情』など下世話な江戸話を多数出版してきた永井先生にようやく時代が追いついてきた。

森達也『オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ』角川文庫

職業=超能力者。ブームは消えても、彼らは消えてはいない。
超常現象、その議論は「信じる・信じない」という水掛け論に終始していた。
不毛な立場を超え、ドキュメンタリー監督がエスパー、超心理学者、陰陽師、メンタリスト等に直撃!!

佐村河内ドキュメンタリー『FAKE』が話題沸騰中の森達也監督のフェイカーインタビュー集が文庫化。
kindle版の値段が単行本版のときのままなのでさっさとアジャストしていただきたい。

橋本道範『再考ふなずしの歴史』サンライズ出版

再考ふなずしの歴史

再考ふなずしの歴史

日本最古のスシと言われているふなずし。でも本当にそうなのかという疑問を解くため、中世・近世のふなずしに関する文献をつぶさに調べた研究者達。それだけでは納得せず、アジアのナレズシ文化圏の論考から、現在のふなずしの漬け方のアンケート調査、ふなずしの成分分析結果まで収録。ふなずしと聞いただけで、あのにおいと味を思い出す人にはたまらない、まるごとふなずしの本。

ふなずしについて考えるだけでも大変そうなのに、再考となればなおさらに大変そう。

TJイングリッシュ『マフィア帝国 ハバナの夜 ランスキー・カストロケネディの時代』さくら舎

マフィア帝国 ハバナの夜 ―ランスキー・カストロ・ケネディの時代

マフィア帝国 ハバナの夜 ―ランスキー・カストロ・ケネディの時代

バティスタ独裁政権下のキューバの首都ハバナは世界有数の享楽の都だった。豪華なカジノホテル、
華麗なショー、一獲千金のギャンブル、赤裸々なセックスと女、流行のラテン音楽を求めて、世界中
から大勢の観光客やセレブが訪れた。それらの〝ビジネス〟を取り仕切ったのが、ランスキー率いる
アメリカマフィアだ。マフィア随一の頭脳派ランスキーは、この地にマフィアの犯罪帝国を打ち立てた。

バティスタを巨額賄賂で取り込む一方、敵対マフィアを暗殺し権力集中をはかるランスキー。だが、
マフィアたちの野望の前に、バティスタ打倒を掲げるカストロの革命軍が現れた--。

ニューヨークタイムズ・ベストセラー! 1959年のキューバ革命の裏にあったマフィアの策動を描く犯罪
ノンフィクション! 有名マフィア多数登場! 衝撃の口絵8ペーシ゛つき! 『ゴッドファーザーII』の真相が
いま明らかに!

ちょっと古い時代の話ですが、アツそう。

鳴沢真也『へんな星たち 天体物理学が挑んだ10の恒星』ブルーバックス

宇宙には、こんな星たちが実在している!
フィギュアスケートの選手みたいにイナバウアーしている
☆恒星のくせにバカバカしいほど長い尾を引きずっている
★墨を吐いて自分の姿をくらますタコなやつ
蚊取り線香みたいなやつ
遠距離恋愛のカップルが久しぶりに会ったような盛り上がりのペア
☆盛り上がりすぎてついにくっついてしまったペア
★世界中の天文学者が推理バトルを繰り広げた謎の幽霊星 ほか

変な星集。間口が広そう。

ベルンハルト・ホルストマン『野戦病院ヒトラーに何があったのか 闇の二十八日間、催眠治療とその結果』

野戦病院でヒトラーに何があったのか: 闇の二十八日間、催眠治療とその結果

野戦病院でヒトラーに何があったのか: 闇の二十八日間、催眠治療とその結果

ヒトラーは1918 年10月第一次大戦末期ベルギー戦線で毒ガス攻撃に遭い失明し、ドイツ東部のパーゼヴァルク野戦病院に収容される。そこで精神医学の権威エドムント・フォルスター教授に催眠治療を施され回復した。
戦争が終わりミュンヘンに現れたヒトラーは以前の「卑屈で目立たない」男ではなく、異様な目の光を持った政治家・大衆煽動者に変貌していた。
パーゼヴァルクの28日間に何があったのか。独裁者を誕生させた決定的瞬間に光を当て、これまで多くの歴史書が見逃してきた20 世紀最大のミステリーを解き明かす。

一ヶ月に一冊はある、ガチそうな精神医学ノンフィクション枠。

長澤均『ポルノ・ムービーの映像美学 エディソンからアンドリュー・ブレイクまで 視線と扇情の文化史』彩流社

ポルノ・ムービーの誕生から、倫理コードとの知られざる攻防、
いつどこでどのように公的に認められ、
映画史のなかで発展していったのか?
「視線(まなざし)」と「扇情」をキーワードに
その光芒史を体系化する野心作!

なかなか網羅的な研究がなさそうな分野だけに期待も高い。

小山友介『日本デジタルゲーム産業史 ファミコン以前からスマホゲームまで』人文書院

黎明期から現在まで40年におよぶ、日本におけるデジタルゲーム産業の興亡を描き出した画期的通史。アーケードやPCも含む包括的な記述で、高い資料的価値をもつとともに読み物としても成立させた、ビジネスマン・研究者必読の書。

バーニー・サンダースバーニー・サンダース自伝』大月書店

バーニー・サンダース自伝

バーニー・サンダース自伝

アメリカ大統領選挙で快進撃!
庶民や弱者に味方し、大胆な経済政策と政治改革を掲げて全米の若者を夢中にさせているバーニー・サンダース
草の根の民主主義にこだわり、無所属をつらぬいてきた「民主的社会主義者」のユニークな政治家人生を記した自伝。
推薦 荻上チキさん(評論家・「シノドス」編集長)

 結局ヒラリーに負けちゃいましたが、一躍日本でも名をあげたサンダースさんの伝記です。

長谷川裕也『靴磨きの本』亜紀書房

靴磨きの本

靴磨きの本

磨きの基本からトラブル対処まで、靴磨き専門店・Brift H代表 長谷川裕也が教える靴磨きのA to Z

靴磨き指南本自体はそんなにめずらしいもんでもないけれど、「靴磨き界のホープ・長谷川裕也氏」という肩書に何か強い「力」を感じる。

トマス・ペン『冬の王 (仮) ヘンリー七世と黎明のテューダー王朝』彩流社

冬の王 (仮): ヘンリー七世と黎明のテューダー王朝

冬の王 (仮): ヘンリー七世と黎明のテューダー王朝

野望! 権謀術数! 愛と憎しみ、欲望と策謀が渦巻く激動の時代を制した イギリス・テューダー王朝創始者ヘンリー七世の謎めいた生涯! イギリス薔薇戦争(1455-85)を制し、 相争った白薔薇(ヨーク家)と赤薔薇(ランカスター家)を和解させて王座に登極、 国内に安定をもたらしたテューダー朝創始者ヘンリー七世。 中世的国家からの脱却、イギリスという国家の基盤作りなど歴史的偉業をなしながら、 シェイクスピア戯曲でも有名なリチャード三世とヘンリー八世(カリスマ的大悪党! ?)の 時代に挟まれ、これまで謎に包まれた人物とされてきた。 春に戴冠しイギリスを花開かせたヘンリー八世に先行し 「冬の王」とされる彼のミステリアスな性格、スリリングな生涯を新事実もまじえて明らかに! イギリスで発表時に、各メディア(デイリー・テレグラフ、ガーディアン、サンデー・テレグラフサンデー・タイムズ、タイムズ文芸附録、ファイナンシャル・タイムズ、BBCヒストリー)が 「今年の本(ブック・オブ・ザ・イヤー)」(2011 年)に選出した話題の書!

 ブックオブザイヤーという言葉に弱い。
 彩流社の本に「(仮)」ってついてるとちゃんと予定通り出るか不安なんですけれども。

アダム・ハート=デイヴィス『世界の歴史大図鑑 増補改訂版』河出書房新社

世界の歴史 大図鑑[増補改訂版]

世界の歴史 大図鑑[増補改訂版]

人類全史が一冊に収まったオールカラー大図鑑。混迷の現代世界にいる私たちは「歴史」から多くを学びとれる。2007年以降の世界の出来事を含め、全項目を増補・大改訂した決定版!

15000円で人類史が把握できるんなら安い買い物じゃないでしょうか。

エドワード・O・ウィルソン『ヒトはどこまで進化するのか』亜紀書房

ヒトはどこまで進化するのか

ヒトはどこまで進化するのか

脳の増大とともに社会性を発達させ、地球を支配してきた人類はどこへ向かうのか。
ピューリッツァー賞を2度受賞した生物学の巨人が、社会性昆虫の生態、フェロモンによるコミュニケーション、極限環境に棲む微生物から、地球外生命体の可能性、宗教の弊害、意識と自由意志の先端研究までを論じ、「なぜ人間が存在するのか」の謎に挑む。
2014年度「全米図書賞」最終候補作品!

全米図書賞というワードに弱い。似たようなテーマの本が月初めにも出ていた気がする。

モーテン・ストーム『イスラム過激派二重スパイ』亜紀書房

テロ組織の内部事情を最も知る男によるスパイ活動の全貌
デンマーク生まれの鬱屈を抱えた白人青年は、偶然出会ったアッラーの教えに救いを見出し、イスラム過激派に傾倒していくが、やがて民間人の殺害を肯定するジハード主義への拭えぬ違和感から、その「大義」に疑問を抱いて棄教。
その後、情報機関の接触を受け、CIAやイギリス、デンマークのスパイとなり、テロとの戦いの最前線に立つ。過激派の大物たちとの交流、危険きわまりない砂漠での暗殺作戦、情報機関の暗躍、裏切り。スパイ活動の内幕と波乱万丈の体験を赤裸々に語る。

亜紀書房今月の本命。日本でも傭兵として参戦した人の体験記が出てちょっと話題になりましたが、こちらはどっぷりと内部に入ってしかも二重スパイまでやった人の話。


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